「・・・罪を重ねて地獄行きとなったカンダタはたった一つ良いことをしていた。道端を歩いていた時に見つけた蜘蛛を踏みつぶそうと足をあげたが、「小さなこの蜘蛛にも命がある。むやみやたらに命を奪うのはかわいそうだ」と踏みとどまり、安全な場所へと逃がしてやった。
極楽にいたお釈迦様は、カンダタのこの善い行いを思い出し、地獄から救ってやろうと一本の蜘蛛の糸を垂らした。落ちてきた蜘蛛の糸に気が付いたカンダタは、うまくいけば極楽に行くことができるかもしれないと考えて、細いその糸を登り始めた。
しかし、糸の真ん中あたりまで登ったところで下を見ると、ただでさえ切れそうな一本の糸に、地獄から脱出しようと多くの人がしがみついていた。このままでは糸が切れて、また地獄に落ちてしまう。
せっかく極楽に行こうと頑張って上ったのに、その努力もチャンスも無駄になってしまうと焦ったカンダタは、大声で下に向かって叫んだ。「こら!罪人ども!!この糸は俺のものだぞ!降りろ!降りろ!」と。
その瞬間、糸がプツリと音を立てて切れた。自分の利だけを考えて他人を思いやらないカンダタは、地獄に真っ逆さまに落ちていった。
その様子を極楽から見ていたお釈迦様は、再び地獄に落ちてしまったカンダタを見て、悲しそうに微笑んでいた。せっかくのチャンスを自らの欲のせいでみすみす台無しにしてしまったのだ。・・・」
何でもありの恐怖はこれから誰を襲うのか?!一抜けしようとあがく者がついに現れたか?すべてをぶちまけるのだろうか?ある国の××問題のキモであることは間違いない。
つづく