なぜ、今なお「松本清張」なのか?それは、エンターテインメント・メディアはどうあるべきか?その真の魅力とは何か?を表しているからであろう。すなわち、エンターテインメント・メディアが、その原点にある人間の欲望等「人間の本質」に切り込んだメッセージを発信する存在でなければならないことを意味している。
また、偶然と必然、幸運と不運等、人間社会に起きている様々な事象が、人間の欲望という本質に根差していることを、極めて精緻な分析や説得力ある構成・ストーリーで組み立てていることから、サスペンスの王道を歩んで視聴者を引きつけて離さないのであろう。
自身、小説でも読んだ内容であるが、超ベテラン俳優と将来の活躍が期待される新進俳優らの共演を通じて、松本清張が語りたかった「人間の本質とは何か?」を、この一本から是非、感じとって欲しいと思う。